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リッチシングルマザーの秘密
私と美香が知り合いになったのは、私が娘のみさきを連れ、夫と正式に別れた頃だった。
みさきを預けている保育園で、私と美香はシングルマザー同士で、子どもも娘一人とお互い共通点が多く、なんとなく頼りあう仲となった。
美香も私と同様シングルマザーだから、経済的には決して楽ではないはずだが、美香はいつも、ずいぶん羽振りがよい話ばかりをしていた。
週末に娘とホテルのディナーにでかけたとか、ディズニーランドに出かけたとか、温泉旅行に行ってきたとか・・・。
私は、美香にどこにそんなにお金があるのかと思う。実家からの援助があるのだろうなと思っていたが、実家の陰はあまり感じられなかった。
ある日の子どものお迎えの時間、私は美香に、ポロリと正直な気持ちを打ち明けた。
「いつも、子どもと色々なところにお出かけができる余裕があって、ホントうらやましい…。」
美香は、少々ひがみっぽい私の言葉を、黙って聞いていた。そして、カバンから有名ホテルのランチチケットを出して私に見せた。
そして「今度一緒に行かない?」と誘ってきた。
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