第三話 滑り台

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第三話 滑り台

 下井戸(しもいど)さんが引っ越しした先の公園での話しだ。  下井戸さん夫婦には子供が2人居る。それまでマンション住まいだったが下の子が3歳になった時に建売住宅へと引っ越しをした。  2LDKのマンションでは手狭になった事と丁度いい中古の物件が安く出ていたので上の子が小学校へ入る前に引っ越しをしたのだ。  引っ越しと言っても遠くではない、地区は変わるが同じ町である。以前のマンションからは直線距離で1キロメートルほど離れた住宅街だ。  引っ越しした先の家の近くに少し大きな公園がある。昨今の公園らしく滑り台や鉄棒に砂場と小さな子供が乗って遊ぶ動物の形をしたものなど遊具は少ないが敷地は広く、サッカーや野球など本格的なものではないが子供たちが自分たちのルールで遊ぶ程度の広さはあった。  昭和の時代からある公園らしいが滑り台と砂場は新品のように新しく下井戸さんの5歳と3歳になる2人の子供も大喜びで遊んでいた。  以前に住んでいたマンションとは二つ離れた地区になる。一軒家に住むのは子供の頃以来で町内会は少し戸惑ったが遠くに引っ越したわけでもなく町のルールなどは殆ど同じで直ぐに生活に慣れて親しいママ友も出来た。     
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