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「洗ったらもっとピカピカになるぞ」
洗面所で石鹸を使って石を洗った。
「凄ぇ、マジでツルツルだ」
思った通り洗うと顔が映るくらいに綺麗になった。
自然に出来た石とは思えなかったが小学校5年生に深く考えることなど出来るわけもなく里見は宝物として勉強机の上に飾った。
その日の夜、声が聞こえたような気がして里見が目を覚ます。
『まーかーはんにゃ…………みったぁ~~ 』
寝惚け頭に御経のようなものが聞こえてきた。
目を擦りながら寝返りを打つ、
『はんにゃ……はぁらぁ……みったぁ……しんぎょうぅ………… 』
ベッドの周りを数人の人影が歩き回っていた。
「ぁおぉ…… 」
悲鳴を上げようとした時、体が動かなくなった。正座をしたときに足が痺れた感覚が全身を覆っているような感じで指も動かせない。
『しきそくぜくう…… 』
どうにかして体を動かそうともがく里見の周りを人影が御経のようなものを唱えながらグルグルと回る。
お化けだと思った里見は心の中で必死に助けてください、御免なさいと許しを請うが人影はグルグルと何度も回って消える気配は無い。
どれ程の時間が経っただろう、御経のようなものが止んで人影が立ち止まった。
『一緒に行こう』
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