気になるあの人

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ラウラが、車道を隔てて向こうにいるエンリコに大声で言った。 「ほら、一緒にお昼買いに行こう!」 「え? ええっ!」 道路を渡って来たラウラは、驚いて口もきけずにいるエンリコに、にっこり笑いかけ、すたすた歩き始めた。 「待てよ、俺、ここ離れるわけにいかなっ」 「知ってる。ジョルジォに聞いたわ。でももう三時よ。しばらく客は来ないわ」 「もうそんな時間か。てか、あんた俺のこと知ってんの?」 「毎日店の前でウロウロしてんだもん。……肉屋の親分が来るのを見張ってんのよね?」
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