11人が本棚に入れています
本棚に追加
ラウラが、車道を隔てて向こうにいるエンリコに大声で言った。
「ほら、一緒にお昼買いに行こう!」
「え? ええっ!」
道路を渡って来たラウラは、驚いて口もきけずにいるエンリコに、にっこり笑いかけ、すたすた歩き始めた。
「待てよ、俺、ここ離れるわけにいかなっ」
「知ってる。ジョルジォに聞いたわ。でももう三時よ。しばらく客は来ないわ」
「もうそんな時間か。てか、あんた俺のこと知ってんの?」
「毎日店の前でウロウロしてんだもん。……肉屋の親分が来るのを見張ってんのよね?」
最初のコメントを投稿しよう!