11人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらく二人は、その場でじっとしていた。
ざわざわと背筋を寒気が走る。
薄暗い店には、ブラインドの隙間から光が射し、埃や硝煙の立ち昇っているのが見えた。
店内は、しんとしている。
しかし、外では再び、車の急ブレーキ音や、大勢の人の怒声が響いている。
車のドアのバンという開閉音がして、しばらくして店のドアが開いた。
ジョルジォとエンリコは身を固くし、カウンターから厨房へと、そろそろと這って移動しかけた時、ミカエルさんの声がした。
「おい、ジョルジォ、エンリコ無事か? もう大丈夫だ」
二人はまだ身を低くしたまま、カウンターの端から店内を覗くと、そこにはミカエルさんと大勢の警察官がいた。そして多数の死体も。
最初のコメントを投稿しよう!