ギャング

2/5
前へ
/21ページ
次へ
もう何日ここで見張っているんだろう。 バカバカしくなってきた。 エンリコは大きな溜息をつくと、車のハンドルに顔を載せ、横目でイタリアンレストラン「オリーヴェ」の入り口の方を見た。 兄貴分のジョルジォが、店のウエイターとして働き始めて一ヶ月。 元々器用なジョルジォは、すっかり店の一員として馴染んでいる。新入りとは思えない働きぶりを、店主(マスター)にも認められているようだ。 そんなことより羨ましいのは、店で働いているただひとりの女の子に、憧れと尊敬の眼差しで見つめられていることの方なのだが。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加