結末

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「市長たちは最初から相討ちを狙ってたのかな?」 エンリコが疑問に思っていたことを言うと、ジョルジォは苦々しい表情のまま答えた。 「だろうな。やりきれねえよ、こんな結末。一件落着とは言えねえよ」 二人は署を出ると、ぶらぶら町に出てみた。 大事件の後だ、まだ町は混乱している。何気ない風を装いつつ、しばらく見回りは続けなければならない。 「お前、ラウラのこと気に入ってただろ?」 唐突にジョルジォに言われて、エンリコはうろたえた。 「少しだけ。ほんの少し、気になってただけだよ」 うつむき加減で言いながら、エンリコは真っ赤になってしまった。 「なあ、前見ろよ」 ジョルジォが言ったが、エンリコは下を向いたままだ。 「いいから、顔上げてみろや」
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