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ジョルジォとエンリコは、イリノイ州の田舎町の小さな孤児院育ちだった。成長し、大都会シカゴまで出て来たが、金も縁もない人間の行き着く先は、危ない人間の吹き溜まりと相場は決まっている。
のちに大恐慌時代と呼ばれた1920年代のことだ。
ギャングが幅を利かせていた時代でもあった。
二人は、ボスの信頼厚いミカエルさんに目をかけられ、すぐに大きな仕事を任された。
それはシカゴのギャンググループのトップ、『肉屋』の暗殺に関係している。
肉屋はその名の通り、逆らう者は片っ端から容赦なく殺していき、新興ながら、シカゴで一番の大親分となった。
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