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いつの間にか眠ってしまい朝になる。
翌朝、ゴミを出していると大家もやって来た。香内は昨晩の出来事を話すと大家の顔色がサッと変わった。
「何もしないから大丈夫だよ」
「 ……でも吃驚しましたよ」
何を隠しているのか言い辛そうな大家の顔を香内が見つめた。
辺りを確認すると大家が香内の腕を引っ張ってアパートの隅へと連れて行く、
「あまり関わらない方がいい、私はね、香内さんは気に入ってるんだ。だから忠告しておくよ、アレは放って置けばいい、何もしないから、ここらの連中はみんな知ってるから」
小声で話す大家の向かいで香内が首を傾げる。
「みんな知ってるって? 誰なんですあの女? 」
「何もしないから大丈夫だよ、いいね、もう窓から覗いたりしたらダメだよ」
香内にこたえずに大家は逃げるように帰っていった。
結局、あの猫の鳴き真似をする女については何も訊けなかった。
あの女は心の病か何かで徘徊しているのだろうか? もしそうだとしても地域ぐるみで知っていて放置していることに恐怖を感じた。
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