ジェイクのお仕事

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 古いが手入れの行き届いた屋敷は空気もいい。数人使用人がいるらしいが、ゴチャゴチャしている感じはない。長くここに務めているらしい恰幅のいい三十代くらいのメイドとすれ違ったくらいだ。 「ワインはどこで選びますか? ダイニングにお持ちしましょうか?」 「いや、せっかくだから樽のある場所を見学したいんだ。こんな機会もなかなかないので、楽しみたくて」 「構いませんよ。今、来年分を仕込んでいるので、少し慌ただしいですが」 「お忙しいのに申し訳ない」 「いやいや、光栄ですよ」  荷を置いて、リデールに連れられて再び仕込みをしているという作業場へ。収穫されたブドウの枝や葉を取り除く女性達、収穫されたブドウを潰す娘達など、見るものがとにかく珍しい。 「凄い、ワインってこんな風に作るんだ…」  思わず呟くと、リデールは穏やかに笑って頷いた。 「今仕込んでいるのは来年用ですよ。今一番新しいのは、去年のものです」  作業を横に通り過ぎ、その奥へ。そこには瓶に詰められたワインが木製のラックに沢山収められていた。 「すごい!」 「流石に壮観だな」  ジェイクも何処か興奮気味に言う。  リデールは一番手前にあるラックからボトルを一つ手にし、栓を抜いてグラスへと注ぐ。白ワインは軽やかな香りがした。 「去年仕込んだ白です。この近年は天候にも恵まれて、出来がいいのですよ」 「どれ」     
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