ジェイクのお仕事

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「酔い覚ましに出たのに、出先でも飲んじゃったね」 「あれは飲まない方が失礼だ」  貴重なワインを頂いたジェイクは多少興奮した様子で言う。本当に分かりやすいと思う。  身軽にもう少し。思って歩く田舎道の先、そろそろ空が茜という頃だ。そこに、さっき見た二つの影が見えた。 「あれって……」  今度は声をひそめて言う。リデールの孫娘リュミと、恋人のカイルは硬く手を握って森の方へと歩いていく。その様子のただならない様子に、レイバンは不安を感じていた。 「ジェイさん、俺はあの二人を追うから、リデールさんに知らせて」 「大丈夫か?」 「平気」 「分かった」  ジェイクは急いでリデールの屋敷を目指し、レイバンは距離を保ちつつ二人を追って行く。やがて森へと入った二人は更に奥へ。赤い日差しの中を進む二人に躊躇う様子はない。  これから夜だ。十月とはいえ夜は冷え込む。凍死こそしないだろうが、賢い選択ではないはずだ。そんな事、こういう土地で暮らしているなら分かるはずなんだ。  嫌な予感がする。木の陰に隠れながら追うレイバンはすっかりワインの酔いも覚めてしまった。     
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