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そっとジェイクの手を取って、傷に触れさせた。抵抗があるように止まった手を強引に引いて、薄らと傷の残る胸や腹に触れさせた。
「痛まないよ」
「レイバン」
「触れてくれない事の方が傷つく。俺は、ジェイさんが欲しくて飢えてるんだ。分かる?」
問いかけて、ジェイクは少し驚いて、次には笑った。
そっと、唇が首筋に触れる。触れられた瞬間、ゾクゾクと甘い痺れが全身に走った。久しぶりで、心から喜びに震えている。思わず甘い吐息が溢れると、ジェイクはクスクスと笑った。
「早すぎるだろ」
「だって、久しぶり過ぎて嬉しいんだもん」
「……悪かった。傷が痛まないのは分かっていたんだが、躊躇いがあったんだ」
そう言いながら、しっかりと傷に触れてくれる。手の平がそっと、労るように。
「傷物はイヤ?」
「違う。お前であればどんな傷が残っていても変わらない。だが、触れるのが怖かった。どれほど痛んだが……側にいてやりたかったと」
クシャリと眉が寄る。そしてそっと愛おしむように、胸に薄ら残る傷に唇が触れた。
「んぅ!」
皮膚が薄いからか、ゾクゾクと震える。気持ち良くて、甘美でたまらない。思わずジェイクの服を握り締めてしまう。気持ち良くて、クラクラする。
「感度が増しているな」
「んぁ! あっ、気持ちいいよそれ」
「分かってる」
痛いのではない。それも伝わっている。
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