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二巻 空ノ青01
いつからか、絡みつくように纏わりつくように、僕を締め付け続ける漠然とした、不安。
その不安の正体を、ゆっくりとだが確実に、自覚せざるを得なくなっていた。
その正体を声に出してしまえば、きっと直ぐにでも軽くなる。楽になる。
ただし、僕だけが。
声としてしまえばきっと、僕以外の人たちが、戸惑い傷つくことになる。たぶんだけど。
それが理解っているから、出来なかった。何も言うことは出来なかった。
楽にはなりたいけれど、みんなを傷つけることはしたくなかった。
それだけが、今の僕の矜持。
ふと心配になる。
僕は皆の前で、心配性な幼馴染の前で、聡い兄の前で、そして彼女の前でちゃんと。
ちゃんと、自然な笑顔を作れていただろうか。
ちゃんと僕は笑っていただろうか。
いつもどおり・・・
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