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ぼくたちは、真夏の太陽が照りつける中で、汗をかきかき、一歩ずつ一歩ずつ山道を登っていった。
とちゅうで下山する人に何度も会った。
そのたびに、ぼくは元気よくあいさつをする。
「こんにちは!」
すると、多くの人は笑顔でこんにちはとあいさつを返してくれた。
あいさつって、こんなにうれしいものなんだ。
ぼくはますます、元気な声を出してあいさつを続けていった。
そんなぼくの様子を、お父さんは自分もあいさつをしながら笑顔で見守ってくれていた。
ところが、数人の登山をしているお客さんは、あいさつを返してくれなかった。
みんな金髪の女の人たちだった。
ぼくはあいさつが返ってくるまで声をかけ続けるが、やっぱり返事がない。
「あの人たち、気になる。
どうしてあいさつを返さないのかな。」
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