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序
俺の倍、生きてきたあなたへ
あなたは俺の色々なところを指差しては言いますね。「違う」と。年齢。性別。そしてこの心にまで。
お前はまだ子どもで、心も体も未発達だ。
だから、お前が言う恋愛なんてものは、「違う」んだと。大人の恋愛と子どもの恋愛は「違う」んだと。
まるで、俺とあなたの間に境界線を引くみたいにして。
だから俺はナイフを手にしたくなるんです。胸に突き立て、縦にまっすぐ引き裂き、開いて、中身を見せてあげたくなる。そしてあなたに問うんです。
何が「違う」?
グロテスクな話をしている訳じゃないんです。胸の奥に詰まっているものなんて、一つしかないでしょう。
国語の先生なら、解るでしょう?
「違う」と言うのなら、その目で確かめてみればいい。「子ども」の、俺の心を。
俺の倍も生きてきたくせに、そんなことも解らないなんて。
こわがりなあなたに、俺が教えてあげる。
これが好きって気持ちだよ。そう言って、やさしく手ほどきしてあげる。
先生。
俺はあなたが好きです。
ただ、それだけなんです。
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