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「あぁ、貴殿は先程いなかったからな。貴殿の息子と同じ魔眼持ちだ」
!!
「なんとっ!! それは喜ばしいことです。きっと女神アテナリア様のお導きでしょう!」
男は興奮したように言った。
ま、魔眼持ち?
ってことは、後ろに隠れている子供は……
「初めまして、私はトーリ・クレイシス。女神アテナリア様を信仰している教会の神官をつとめています。この子は息子の、ユーリ・クレイシス。ほらユーリ、お前も挨拶を」
「ユーリで…す…はじめ…ま…して」
「はっ初めまして、リュート・ウェルザックです」
父親に促されて、ユーリがボソボソと挨拶をした。
俺も反射的に挨拶を返す。
思わず笑顔がひきつってしまった。
探してはいたが、まさか将軍の子息でなく此方に先に出会ってしまうとは。
ユーリ・クレイシス。
それはこの国の数少ない魔眼持ちであり、
乙女ゲーム攻略対象者随一の“ヤンデレ”キャラの名だった。
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