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09話 え?この世界って乙ゲーの世界なの?
あれから周囲を巡回中だった警備隊が俺達を保護し、行く予定の町でなく近くの大きな都市に連れてこられた。
そして今も駐屯所で調書を取られている。
盗賊なので罪にならないが、俺の様な子供が無詠唱で上級魔法を使ったということで詳しく話を聞きたいみたいだ。
「いい加減にしてくれませんか? 私達は自衛をしただけで、何ら罪に問われることはないと思うんですけれど?」
ここに来てから5日が過ぎた。
いい加減我慢の限界が来たのか、母様は怒り気味で目の前の騎士に言った。
「申し訳ございません。あと少しだけご辛抱下さい」
騎士の答えは相変わらず要領を得ない。
このやり取りも何回目の事だろうか。
「何度も、何度も、あと少しあと少しって、一体いつまでここに閉じ込める気なのですかっ!? いい加減に」
バタンと急に扉が開いた。
そこには銀髪のイケメンがいた。
母様がソイツを見て、言葉を止めた。
「カミラっ!! やっと見つけた!」
銀髪イケメンはそう言って、いきなり母様を抱き締めた。
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