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「ナナツミはね、乙女ゲームなんだけどRPG要素もあってね。勉学、魔法、剣術、礼儀作法、芸術の5項目をレベ上げしないと、攻略キャラによっては攻略できないの!」
「うわー、人の話聞いてないよ」
依子に構わず、由奈は熱く語り出す。
「攻略キャラは全部で7人なんだけど、今回のファンディスクでは、なーんとっレイアス様のお義父様であるヴィンセント様も攻略出来るようになったの!!」
「へー、ソウナンダー」
「ナナツミは人間関係がドロドロなゲームなんだけど。絵もキレイだし、キャラの声がメッチャイケボなんだよー!」
「へー(モグモグ)」
もはや完全に由奈の話を聞き流して、弁当に集中している。
「攻略キャラは皆トラウマ持ちで、それを主人公が癒すんだよ! レイアス様とヴィンセント様のルートはクリスティーナが悪役なんだけど、こいつがヴィンセント様の唯一愛していた人を実家の力を使って暗殺してしまうの。これにはヴィンセント様は勿論、初恋の人であったレイアス様も憎悪して、ヴィンセント様のルートだとヒロインと協力して死刑台送りにするんだよ!」
「死刑台って……乙女ゲームなのに過激じゃない?」
依子が食べるのを中断してツッこむ。
乙女ゲームで人死にが出るというのに、引っ掛かりを覚えたのだろう。
「結果だけ見るとねー。でもプレイする側としては、気持ちが分かるってゆーかもっとやれやれってなるよ? しかももっとヤバイルートもあるしね、うふふっ」
「何それ、怖い」
「やればよさが分かるよ! 特にヴィンセント様は仇を討つ為に、ウェルザック公爵家を継いで宰相にまで上り詰めて力をつけるんだから!」
「……それ、ヒロインいらなくない?」
「いるよ!? だって悪役は七つの大罪にまつわる悪魔と契約してるから、女神の加護を受けた強い光属性の適正を持つヒロインじゃないと浄化できないんだよ!」
「ふーん」
由奈はどんどんヒートアップし、周りを気にせず大声で話続ける。
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