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庭に出ると椅子やテーブルがもう準備され、メイドによって母様が連れられて来るところだッた。
仕事早いな、セルバさんは出来る執事だ。
「レイ君も一緒に作ったんだって? 楽しみだな♪」
「はい。でも僕はあまり上手く出来なくて……リューはまだ6歳なのにすごかったです」
「いえ、そんなことありません。兄様は初めてなのにすぐ出来るようになってました。とっても器用です」
兄様は謙遜したが、初めてであそこまで出来るようになったら上出来だ。
俺と違って本当に9歳児なのだし、俺と比べちゃダメだと思う。
「リュー君は私の天使だからね~ぇ」
「はい僕の天使はすごいです」
あれ?
今度は母様との間に火花が。
最近この火花をよく見る気がする。
「ケーキに合わせて紅茶もどうぞ」
セルバさんがそんなピリピリした空気を裂くように、紅茶を給仕してくれた。
やっぱりセルバさん出来る執事だ!
「せっかくですし冷めない内に飲みましょう!」
「はぁーい! いただきまーす!!」
俺達は食べ始めた。
「おぉー!! 流石リュー君っ! おいしぃ~♪」
「本当だ……すごい美味しい!」
ケーキは中々いい出来で美味しかった。
母様や兄様も喜んでくれたようでよかった。
「母様落ち着いて食べてください、まだ沢山ありますから」
「はーい!」
最初どうなることかとヒヤヒヤしたが、お茶会は穏やかな時間が流れた。
……途中また母様と兄様で俺の取り合いか起こったが。
何だか微妙な気分だ。
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