第5章 腐った白百合

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第5章 腐った白百合

01話 とある腐女子によるネタバレ?   「──不憫系薄幸美少女だった!」 4限目の授業が終わり皆が片付けをする中、そんな叫びがクラス中に響き渡った。 そんな事をするのは唯1人、須藤 由奈だけだ。 「なんの事?」 他のクラスで叫び声を発する変人、もとい須藤 由奈の友人である為永 依子は表情1つ変えることなく尋ねた。 「レイアス様の婚約者だよ!!」 「レイアス? ……あぁ、例のゲームのキャラクターね」 依子は聞き覚えのある名前に、あぁ、あれねと相槌を打った。 依子は由奈から毎日のように、ゲームの話を語られている。 「依ちゃんが珍しく話した内容を覚えている、だとっ!!? 何時もは適当に聞き流してるから、後で振っても全く覚えてないのに!?」 「失礼ね、覚えてるわよ……少しは」 「少しって……………」 少しは興味を持ってくれたのかと喜ぶ由奈であったが、その期待は一瞬で崩れ去った。 やはり、依子は乙女ゲームにこれっぽっちも、興味など持っていなかったのだ。 「……まぁ、いーや。それが依ちゃんだしね!」 「相槌打ってるだけましでしょ」 由奈は少し落ち込みはしたものの、すぐに気分を切り替えて依子の前の席についた。 この時、このクラスにいたものは、皆嫌な予感を感じて弁当を急いで食べ始めた。 ──そしてその予感は、この後的中することになる。
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