衝撃的な出会い①

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「朔夜さんだったわよね。私は、西園寺桜華。これから4年間一緒の学科同士よろしくね。」    私の行く手を阻み、突然話しかけてきたのは、モデルみたいにきれいな学生だった。どこかで見たような気がしたのだがそれもそのはず。先ほど新入生代表挨拶をしていた学生だ。日本の大学の入学式に不釣り合いなチャイナ服、西園寺桜華という名前を名乗ったので間違いない。    しかし、私に何の用だろうか。彼女と私は初対面のはずである。私の知り合いにこのような美少女はいないはずだ。不意に話しかけられたため、困惑して返事も返せずにいると、それを相手は誤解したようだ。 「私が美しすぎて言葉も出ないという感じね。それも仕方ないわ。美しすぎるのも罪よね。あなたは何も悪くない……。」    自分が美しいのが罪だなどと言い出す始末だ。大変ナルシストな性格である。新入生代表挨拶の時も思っていたが、やはり性格に難ありらしい。容姿も頭も良いのだろうが、性格が残念である。確かに美人であるが、美しすぎて言葉も出ないなんてことはない。    なぜチャイナ服を着ているのか、なぜ私に話しかけてきたのか、さらに最大の疑問はなぜ私の名前を知っているのか。これが世にいう超能力というものか。それとも魔法でも使えるのか。私に話しかけてきたのが衝撃過ぎて、時間にして3秒ぐらい、様々な疑問が頭をよぎった。その3秒がこの美少女には長く感じたようだ。私が何も言えずにいると、さらに続けて話し出した。
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