つかの間の平穏だと思ったが

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 夢を見た。西園寺さんと雨水君が何か話している。その先にぐったりと倒れている人がいる。西園寺さんが日本刀のようなものをその倒れている人に向かって振りかざす。  振りかざす寸前、私の視線に気が付いたのか、西園寺さんはこちらを見た。視線が交差する。彼女からは何の表情も読み取れなかった。ただ、私は一瞬のこと過ぎて、何も反応を返すことができなかった。    そこで目が覚めた。衝撃的な夢のせいで汗をかいていて、身体がびっしょりと濡れていて気持ちが悪い。 変な夢だった。あの夢は何を表しているのだろう。夢とは記憶の整理とかいうけれど、あんな場面、記憶の中には存在しない。漫画やゲームでも私は殺人系などのジャンルは苦手で読んでいない。  夢のせいでしっかり休めた気がしない。時計を見ると、まだ朝の4時過ぎだった。起きるには早すぎる。もうひと眠りしよう。今度はしっかり眠ることができた。    今度は寝すぎたようで、次に目が覚めたのは10時過ぎだった。自分の部屋から1階に下りると、すでに両親は仕事や学校に出かけた後だった。今日は昼からの授業だったので、この時間に起きても問題ないが、もし午前の授業だったらやばかった。  もし、私が寝ているようなら声を一言かけてくれてもよかったのに。まあ、起こされたら起こされたで、なんだか腹が立つので、どっちもどっちだが。  
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