衝撃的な出会い②

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 ガイダンスが行われる教室が講堂から割と遠い場所にあったため、開始時刻には間に合わなかったが、教授たちはまだ集まっていなかった。 「先生方がまだいらっしゃらなくてよかったわ。ねえ、朔夜さん。」      教室ではほかの学生に話しかけるだろう。これで私のことを放っておいてくれると思い、席を西園寺さんから離して座ろうとしたのだが、相手はまだ私に用があるらしい。いい加減、面倒くさくなったので無視することにした。  そして、教室をぐるりと見まわし、これから4年間を共にする仲間を観察する。同じ学科とはいえ、すでにグループがいくつかに分かれていた。茶色などの明るい髪の色に染めた化粧の派手なグループ。黒髪で地味目な服装の真面目でおとなしそうなグループ。その中間のグループ。私は中間のグループに入りたいなあ。可もなく不可もなく、平穏に過ごしたい。 「遅いぞ、桜華。何やってたんだ。」    突然、男子学生が目の前に現れた。これまたイケメンだ。身長が高く、こちらは真っ黒の髪に真っ黒の瞳。瞳は切れ長で鼻筋はすっと通っている。服装は大学の入学式にふさわしい黒のスーツをピッタリと着こなしている。この男性もスタイルがいい。足が長いし、スーツの上から見ても筋肉が程よくついていそうなことがわかる。西園寺さんと知り合いなのだろう。美男美女が並ぶとやはり絵になる。彼女たちの容姿に見惚れて、逃げるのが遅れてしまった。
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