52人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
追記――
ここから先は余談である。
冒頭に登場した〈未来予知プログラム〉は結局、世に出ることはなかった。
その理由は[不具合の発生]とだけ発表されている。
噂では、プログラムを搭載した無人自動車が試験走行中、関係者の目前でその姿が[消えた]と云うらしい。
そう、一瞬の[残像]だけを残して……
無論、噂なので、信憑性はない。
しかし、その企業が今になって、時輪氏の行方を探し始めたことは確かである。
何処から嗅ぎ付けてきたのか、私のところまで、企業から雇われたと思われる探偵が訪ねてきた事からも、間違いはなかった。
研究を横取りされた開発者は、意図せず、その[仕返し]を成したのである。
最初のコメントを投稿しよう!