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半年が過ぎた頃――
時輪氏の書類を預けた大学教授から連絡が入った。
彼の残した[方程式]に関する遺物の中に、その概要を解説していると思われる[覚え書き]が発見されたというのだ。
それに依ると……
「これはやはり、並行時空に関係する研究と思われる」
しかし、こうも付け加えた。
「この[方程式]通りの現象が概要通り起これば、確かに[近未来]と称する平行時空に行けるのかも知れないが、それを実現する手段そのものは[式]からではわからない」
更に、教授はこう告げる。
「そして、この方法では、例え[近未来]とやらに行ったとしても、そこに留まることは出来ず、更に[その先の近未来]に相転移することになる」
「それって……」
「そう、永遠に[近未来への旅]を続けることになる……」
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