[近未来]の探求者

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「アンタもしつこいな……」  2階建て1LDK賃貸アパートの2階、その一室――  そう言って、書類の束で築かれた山々に囲まれる中、パソコンのモニターに顔を押しつけるように食い入り、ひたすらにキーを叩き続けながら、無愛想な返事をする。  当然だろう。得体の知れない自称フリーライターが、アポも取らずに「取材をさせてくれ」と、押しかけられれば、誰だって嫌になるだろう。しかも、「しつこい」と言われるように何度も、である。  しかし、そうでもしなければ、この時輪克(ときわすぐる)という人物は絶対に、自分の取材に応じることはないだろう。  いや、今だって応じたわけではない。
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