#006 Yellow Carnation

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「すみません…」 「責めているわけじゃないんだよ…? そうだ、一緒にお風呂入ろうか。 僕だけ脱がされているんじゃ、ちょっと不格好だしねえ。」 「ぇ。 …それは…、ちょっとどうなんでしょう…?」 「別に、誰かに見られている訳じゃあないんだし。 それに銭湯とかなら皆一緒に入るでしょ?」 「まあ…、それはそうですけれど。」 俺の答えを聞く前に、萼さんの手が服を脱がせにかかる。 それが思いがけず手早くて、少し戸惑った。 「君の服は相変わらずきっちりで装備が多いねえ。」 「…そうび…。」 カフスやカラーバーの事だろうか。 確かにその辺りは、スーツを着るならば揃えておかなくてはいけない気がして、必ず身に着ける様にはしているが。 「ほそっ! 相変わらず細い…というかこれは細いを通り越して薄い、かなあ… 何食べてこんなに痩せるんだろう…」 いつの間にか下着と靴下だけ残し、器用に脱がされていた。 「何を食べて、って…毎日、同じ食事をしているじゃないですか。」 「あれ…そういえばそうだね。」 なんでだろう、と彼が首を傾げてからふふ、と笑った。 それだけの事で何だか心が落ち着く。 落ち着いてみて、改めて自分が、相当我を忘れていたという事にも気付かされた。
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