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萼さんに押し切られ、結局二人で入浴する事になってしまった。
一人が体を伸ばして入浴するには十分なサイズの浴槽だが、二人で入るとなるとギチギチで、自然と寝ている時の様に、彼が後ろから俺を抱き抱えるスタイルになる。
大人の男二人で一体何をやっているのだろうか…
奇妙だ。
「はあ。ぬくーい。
やっぱりお風呂は良いねえ。」
「気が落ち着かないのですが……」
「ははは、ベッドと大体同じでしょう~。」
「寝る時は、何かしら着ていますから…。
萼さんは別として。
萼さんは、べつとして。」
「ハハ、言い直された。
夏はついね、脱いでしまうからね…」
「下着位は、脱がずに穿いていてほしいんですが…」
「そうは言ってもねえ…寝る時には穿いているんだけどなあ。
暑いからかなあ、朝になると脱衣してるよね、勝手に。」
半年以上生活を共にし、気が付いた事がある。
萼さんは夏場になると、寝ている間、いつの間にか全裸になっている。
暑いのなら、そもそも俺を抱き枕にして寝るのをやめればいいと思うのだが…不思議と一緒にベッドに入る事は習慣づいてしまっていた。
「でも、こうして一緒にお風呂に入るのは初めてだねえ。」
「そうですね…。」
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