#009 Narcissus

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「そのまさかって事があるのが、あそこの家な訳よね~。」 「じゃあ…ツユリ君は… ツユリ君のお父さんは…。」 「そ。 騙されたというより、罠にかかったと言う方が正確かねえ。 こいつの家と土地の権利書を騙し取るもの、簡単。 で、それを取り返すのも簡単。 取り返すっつーよりは、取り返したフリ? だってそれ、自分ちにあるんだもんな。 あ、でも…そんな判り易く表でやる訳ないからね。 子会社…いや、孫とかひ孫会社みたいな。 もう下請けも下請けみたいな所で、普段からブタちゃん自身の子分みたいな立場だった人を動かしたんでしょ。」 「…信じられない…。 そんな事が本当にある? じゃあ元奥様は、ツユリ君を手に入れる為に… 結婚する為に、わざわざそんな“困っている所を助けてあげた”という状況を作ったという…事…?」 「そういう事。 俺の知っている話では、ね。」 「普通…そこまで…するかい?」 「するんじゃない? 普通じゃないんだから。 それにー、何もしなかったらマイスターは、ブタちゃんなんかに見向きもせず、今頃はミューズと結婚してたかもしれないしぃ?」 「ミューズにかなわないから? ツユリ君の事を好きで、結婚したくて… その為だけに? わざわざ自分の好きな人を陥れる様な事を? する?好きな人が、自分の所為で苦しんでいるのに?」
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