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『無口でクールな一匹狼の神田課長』
歓迎会の後、そんな評価が俺に下されていた。
『狼課長』
そんなあだ名も付いたようだ。
おれの名が『神田大』で、氏名を反すと、『大神田』になる。
それを読むと、『オオカミ ダ』と読めるのでオオカミと一匹狼をかけたらしい。
俺は注目の的なのか、あちこちで大きな声で噂してくれていて、本人にもそう言う噂は筒抜けなのだった。
合併した本社は、女性が四割占めるという、俺には全く有り難くない環境だった。
課長職なんてさっさと返上して、どこか女のいない部所に逃げたいものだ。
だが、俺にも生活があるので、この貴重な収入源を無くすと言う選択は出来ないのであった。
溜め息を噛み殺しつつ、俺の部下となった女の子に仕事の指示を飛ばす。
目がハートになってようが、よろけた振りしてしなだれかかってこようが、仕事はきっちりやって貰わなければならない。
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