緒方主任

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本日やるべき仕事が終了し、飯でも食って帰るかと目に付いた居酒屋に入った。 見た目がお洒落な感じじゃなかったから、若い女性は居なさそうで、居心地が良さそうに思えた。 引き戸を開けて入ると、中年の男性で賑わっていた。 空席は、、、、と見渡すと。 「神田課長?」 そう呼ばれ目をやると、緒方主任が座っていた。 「緒方さんもご飯ですか。」 「はい。課長もですよね。 お疲れ様でした。 相席で良かったらここ、どうぞ?」 「では、お邪魔します。 ああ、会社ではないので、『課長』は勘弁して下さい。 神田、と呼んでいただきたいですね。」 「はい、済みません。 では、神田さん、何を注文しますか?」 壁のお品書きを示される。 各テーブルにはメニュー表は置いてないようだった。 彼女の食べかけの皿を見ると、旨そうだった。 「緒方さんの、美味しそうですね。 何ですか?」 「焼おにぎり定食です。 美味しいですよ?」 「では、私もそれにします。」 一つ注文し、辺りを改めて見回す。 旨そうなものばかりが目に付き、この店は『当たり』だったなと、ほくそえむ。
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