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「緒方さんは、この辺りの店に詳しそうですね。
他に、どこの店に行くんですか?」
「あまり詳しくないですよ。
ここと、もう少し行った所にある食堂位しか行きませんもの。」
「では、そちらの食堂も美味しいんですね。
今度行ってみます。」
「私なんかより、若い娘の方が、色々知ってて情報通ですよ?」
「そういう方は苦手なんですよ。
学生気分の方が行かない処が良いですね。」
「私みたいなオバサンなら安心ですものね。」
「・・・・・。ああ、頼んだものがきました。
緒方さんはオバサンじゃないと思いますけど?」
そう言いおいて、定食を見る。
焼おにぎり、大根の煮物、串カツ、お吸い物、漬け物、そして、芳ばしい香りのたつほうじ茶。
うん、どれも旨そうだ。
「有り難うございます。
でも、私に気を使ってくれなくても大丈夫ですよ?
ああ、その焼おにぎり、一つはそのまま食べて、後一つはお吸い物かお茶をかけてお茶漬けが私のお薦めです!
日によって串カツがヒレカツとかエビフライなんかに変わるんですよ。」
「別に、気を使っているつもりは無いんですけどね。
私よりかなり若いんですし。
自分を大切にしてあげた方が良いですよ。
さ、もう、この話はおしまいにしましょう。
うん、美味しい。
最近は胃もたれとかするので、揚げ物もこの位の量がちょうど良いですね。
ヒレカツの時も食べてみたいですね。
曜日を変えて来てみましょうか。」
「多分次回のヒレカツは、明後日だと思いますけど。」
「ああ、それは是非、足を運んでみましょう。」
こんなに話をしながら食べたのは、いつ
以来だったろうか。
楽しいと思っている自分がいた。
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