二、魔女退治

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 翌朝、勇者たちの策略にはまった魔女は、彼らの白い(ほお)接吻(せっぷん)をして目を覚まさせました。 「朝よ、かわいい妖精(ようせい)さんたち。ご飯を食べて、さっそくお菓子を作りましょう」  魔女はふたりのために、パンとミルクをふるまいました。 「今日はうんとはたらいてもらうからね、たくさんお食べなさい」  ヘンゼルは寝ぼけて、 「うん、なんたって僕たちは、英雄になるんだからな」  と言いましたが、魔女にはその意味がわからないので、口もとをおさえて笑うだけでした。  魔女とふたりの子供たちは、仲よくおしゃべりをしながら生地をこねました。こねあがると、魔女は魔法の粉をふりかけて生地を発酵(はっこう)させました。 「わあ、すごい。ふくらんだね」  子供たちの興奮に、魔女もうれしくて笑ってしまいます。 「さあさ、お次はかまどで焼くのですよ」 「わあい」  魔女が魔法で火を起こすと、子供たちはまたよろこびます。  しばらくして、魔女は言いました。 「かわいいヘンゼルとグレーテル、火がよくまわっているか、見てきてちょうだい」  これにこたえて、グレーテルは言いました。 「どういうふうにすればいいかしら……、私たち、はじめてだから」 「それは、そうねえ」  するとヘンゼルが、 「先にお姉さんが入って、どうするのか見せてくれればいいんだ」  と言いました。 「それじゃ、そうしましょう」  魔女はこころよく、この提案を受けいれました。  そして、かまどへからだを入れるやいなや ――
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