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「疑問に疑問で返すのは愚問だと思わない?」
伶華さんのそれも、僕の疑問に疑問で返してますけど。
出かかった言葉を、僕は必死でお茶と一緒に飲み込んだ。
「僕にはわかりません勘弁してください副会長あたりにでも聞いてください」
「嫌よ。あいつにこんな恥ずかしい事聞けないわ」
そういう自覚はあるんだ……。
「大体、きっと『コンプライアンス違反です』とか言って、眼鏡をクイッと上げて無視するでしょ? きっと」
そう言って、伶華さんは副会長がよくある眼鏡を上げる仕草を真似した。
「僕にはよくわからないのでやめてください」
「嫌よ」
なるほど。これがパワハラか。
いや、落ち着くのだ、僕。つまり、インターネットや文献を調べればわかることを、わざわざ僕に聞いてくるということは、そもそも伶華さんはチン〇……(しまった。伏字の場所を間違えた。危うく僕自身がコンプライアンスに引っかかるところだった)……チ〇ポコの意味を僕に聞こうとしていたわけではないのだろう。恐らく、僕自身に想像させて答えさせたい。つまり、大喜利をしろということに違いない。
いぇええええい! やりたくない!
「それで? 貴方の見解は? 答えなきゃ生徒会を追い出すわよ?」
大変です先生。生徒会室がいつの間にかブラック企業になっております。
仕方なく、僕は思い付きで答えた。
「そうですね。僕の予想で言えば、ポコは睾丸をあら――」
そこまで言って、伶華さんの表情を伺うとゾウリムシでも見るかのように、酷く冷たい視線を僕に送っていた。
「いや、表してないですね。表してない。表していないぞ、僕。何を言っているんだ」
そういうと、伶華さんは満足そうににっこりとほほ笑んでいる。
本当に僕は何を言ってるんだ。この人は悪魔か何かなのか。
「そうですね、ポ〇チン……なんだか愉快な響きですよね」
もはや僕はやけくそだった。
「ふぅん……確かにそうね」
よし、食いついたぞ! この路線か!
「そう……そう! 伶華さん。知っていますか? イタリア語で「ポコ」というのは「少し」という意味になるそうですよ」
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