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「キュッとしたお尻は努力の賜物なんです。胸より下にある分、弛み易いお尻のお肉がキュッと引き締まっているのを見ると、僕はその女性に尊敬の念すら覚えます!」
「ふぅん……弛んでいるのはダメなのね?」
「弛んでいるのは弛んでいるのでまた趣があります」
あのだらしなく垂れ下がった肉。それはそれで叩いてみたくなる衝動に駆られるのだ。
「結局何でもいいんじゃない」
「よくありません! 男のお尻を見ても何も思いませんから!」
「『ふくよかな男性のおっぱいでも揉んでみたら?』とおっぱい派に言った時みたいなリアクションね。女性だったらなんでもいいの?」
「うぐ……」
伶華さんは鼻で笑う。
「結果、おっぱい派もお尻派も、言い分に大差は無いわね」
そんなことない。そんなことは無いのだ。くそう、すまない全国のお尻派高校生の皆、僕が不甲斐ないばっかりに……ちくしょう……ちくしょう……。
「それに、あなたの理論は間違っている部分があるわ」
「間違っている?」
「おっぱいを垂れてこないように努力している人だっているもの」
「……え?」
なんという失態だろう。僕は思わず間抜け声で疑問符を出し、伶華さんの慎ましやかな胸部に視線を向けてしまった。
「私の「殺す」話では「殺す」ないわ「殺す」書記の「殺す」八房の「殺す」話よ「殺す」彼女「殺す」自分の「殺す」胸が「殺す」大きい事「殺す」気にして「殺す」将来「殺す」垂れないようにって「殺す」筋トレ「殺す」してるもの「殺す」彼女の「殺す」おっぱいは「殺す」大きいから「殺す」そいうことも「殺す」気になるん「殺す」でしょう」
うわぁ、どうやってるかさっぱりわからないけど僕は今サブリミナルでめっちゃ脅されてるぅ!?
「墨東」
「はい」
伶華さんの笑顔がめっちゃ怖い。
「次も無いわ」
「はい……」
「も」? 今回も無いのか。じゃあ、僕は一体どうなってしまうんだ。
諦めかけたその時、僕に妙案が浮かんだ。
「伶華さんはどちら派なんですか? なんだか僕だけ言うなんてずるいです」
「黙りなさい」
「はい」
そうですよね。僕に発言権は無いですよね。
しかし、伶華さんは少し思案するようなそぶりを見せた。
「……そうね。基本、確かに私はおっぱい派だけど、改めて問われると悩ましいわね。後ろから引き締まった臀部を凝視するのも、確かに悪くはない」
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