stir

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 五年前に癌で亡くなった妻の死をまだ乗り越えられず、彼女の面影を身に纏っている情けない自分とは違い、彼女はすっかり生来の明るさを取り戻した。  しかし学校に気になる人でも出来たりしないのか、男親としてはそんな益体もない事が頭をよぎる。 「ま、いいか」  カレーを温めるために私は台所に向かった。
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