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屋上のドアを開けると待ち望んでいたご主人様が居て思わず抱き締めてしまう。
「好きです・・・ご主人様、貴方が大好きです」
「え!?あ、ありがとうございます?」
「だから・・・私の傍から居なくならないで下さい」
少し強く身体を抱き締めると、ご主人様は何も言わずに背中に手を回してくれた。暖かい体温を感じられているのが幸せで嬉しくて涙が出そうだった。
身体を離し、片膝を地面につけご主人様の手を握った。
そう言えば初めて会った時も・・・やったな。
あの時と表情が変わらない。驚いたような表情で戸惑っている姿さえも可愛くて愛おしい。
「社長?」
黙っている私を不思議に思ったのかご主人様は心配そうな瞳で見つめてくる。
ああ・・・そんな瞳で見つめないで下さい。
「私はご主人様の奴隷であり・・・・・・恋人です」
「っ・・・」
「奴隷という立場で失礼だとは思いますが、私はご主人様を手放す気はサラサラありませんし考えた事もありません。だから・・・これからも、傍に居てくれますか?」
数秒すると、ご主人様は優しく微笑んで私の髪を撫でてくれた。
胸の奥が暖かい・・・・・・。
「私も社長と離れる気はありません。社長に釣り合うかは分かりませんが、これからも宜しくお願いします」
「ご主人様・・・・・・」
「はい・・・って社長!?」
緊張していたからか急激に身体の力が抜けて地面に倒れてしまう。
心配する声が聞こえて私は、ご主人様の腕を引いて腕の中に閉じ込めて唇に軽く触れるだけのキスをして優しく抱き締めた。
こんなに幸せで良いんだろうか、と思いながら私は愛おしい恋人を腕に抱きながら目を閉じた。
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