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「いいか、まずこの区切られているこの区画、ここからここまでで一つの数列として見て、そのあとそれらを一つの項として全体を見る」
「この区画の中が数列で……この区画自体が項…?」
「そうだ。それが分かれば計算は、できるだろ?」
あ、わかりそう。え、できそう。
え?すごい!俺出来てる!?
授業で聞いた時なんも分からなかったのに、今解けてる!
……えっと、上条、なんか教えるの、上手くなってる?
1時間目の終わりより、擬音消えてるし、なんだかわかりやすい気がする…。
いや、でもみーくんの方が上手いし!
みーくんは俺の成績をここまで上げてくれたくらい上手いし。
上条なんて比べ物にならないし。
……あ、でも、あんなに難しく見えてた問題が、解けた。
「と、解けたぁ!」
す、すごい!解けた!
朝香先生のプリントだから鬼畜問題ばっかりのはずなのに、すらっと解けた……
………………嬉しい。
「…………やれば出来るじゃねぇか」
「うん…………ありがとう、上条!」
やったー!
これで帰れる!
早く帰って部活終わりのみーくんの為の晩御飯作らなきゃ!
今日は寒いからなぁ、なんか温まるものがいいよなぁ。
………………いつも、みーくんに勉強教えてもらった後はみーくんの好きなものをお礼にって晩御飯とかに作ってたけど。
俺は上条にもお礼をした方がいいのか?
いや、こんなやつに本当はしたくないけど、礼儀もわからないやつだとか後で罵倒されても嫌だし…。
「……か、上条、明日も……来る?」
「は? なんで……お前、明日も教科書忘れる気か?」
「ばっ、馬鹿にするなよ!! そんなわけないだろ!」
し、失礼なやつ!まじ嫌!
も~帰る!!こんなやつと同じ空間にずっと居たくな~い!!!
「教科書ありがとうございました!! さようなら!」
提出するプリントと、鞄を持って勢いよく立ち、俺は教室から急いで出た。
あーもう上条ムカつく~~!!!!!
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