11月 教科書忘れた

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「いいか、まずこの区切られているこの区画、ここからここまでで一つの数列として見て、そのあとそれらを一つの項として全体を見る」 「この区画の中が数列で……この区画自体が項…?」 「そうだ。それが分かれば計算は、できるだろ?」 あ、わかりそう。え、できそう。 え?すごい!俺出来てる!? 授業で聞いた時なんも分からなかったのに、今解けてる! ……えっと、上条、なんか教えるの、上手くなってる? 1時間目の終わりより、擬音消えてるし、なんだかわかりやすい気がする…。 いや、でもみーくんの方が上手いし! みーくんは俺の成績をここまで上げてくれたくらい上手いし。 上条なんて比べ物にならないし。 ……あ、でも、あんなに難しく見えてた問題が、解けた。 「と、解けたぁ!」 す、すごい!解けた! 朝香先生のプリントだから鬼畜問題ばっかりのはずなのに、すらっと解けた…… ………………嬉しい。 「…………やれば出来るじゃねぇか」 「うん…………ありがとう、上条!」 やったー! これで帰れる! 早く帰って部活終わりのみーくんの為の晩御飯作らなきゃ! 今日は寒いからなぁ、なんか温まるものがいいよなぁ。 ………………いつも、みーくんに勉強教えてもらった後はみーくんの好きなものをお礼にって晩御飯とかに作ってたけど。 俺は上条にもお礼をした方がいいのか? いや、こんなやつに本当はしたくないけど、礼儀もわからないやつだとか後で罵倒されても嫌だし…。 「……か、上条、明日も……来る?」 「は? なんで……お前、明日も教科書忘れる気か?」 「ばっ、馬鹿にするなよ!! そんなわけないだろ!」 し、失礼なやつ!まじ嫌! も~帰る!!こんなやつと同じ空間にずっと居たくな~い!!! 「教科書ありがとうございました!! さようなら!」 提出するプリントと、鞄を持って勢いよく立ち、俺は教室から急いで出た。 あーもう上条ムカつく~~!!!!!
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