11月 教科書忘れた

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「……………………ああ、確かに美味いな」 「えっ、本当に!?」 「ああ。美味い」 「……えへ、…良かった」 上条ってお世辞とか言わなそうだよな…目上の人には言うかもだけど、完全に俺のこと下に見てるし、絶対気なんて遣わなさそう。 そんな上条に、認められたら流石に嬉しくなっちゃうよなぁ。 別にこいつのこと好きじゃないし、気に食わないのは変わらないけど、褒められて悪い気はしないな。ふふん。 「良かったね、みなと」 「みーくんが美味しいって言ってくれてるんだもん!上条の舌だって唸らせるはずだよ~」 俺が初めて料理を振舞ったのはみーくんで、初めて美味しいって言葉をくれたのもみーくん。 みーくんのために、もっともっと料理上手くなりたいな。 それから少し日が経った。別に上条と仲良くなったわけではないので特に毎日会話をすることも無く、ただただ平凡に過ごしてきた。 そして今は6時間目、古典の授業。 まじのまじで、わからないやつ。 謙譲語尊敬語、主語、助動詞助詞、もう全部わからん。 まずどうやって考えたらいいのかわからない。 どれが助詞で、どれが助動詞で、とかどうやって見分けるのかすらわからない。 本当に、違う言語。これは。 なのに。 「え……明日、小テスト…?」 ほ、本当に言ってる? なんで? 期末テストもうすぐじゃん!小テストとか完全に油断してた~!!! ど、どうしよう… 帰りのホームルームが終わったあと、鞄を持ったみーくんがこっちに歩いてきてくれた。 「み、みーくん明日古典小テストだって…………」 「なんとかなると思う。じゃ、部活行ってくるね」 「行ってらっしゃいみーくん!」 今日もみーくんは部活。 かっこいいなぁみーくん! 部活とか、なにかに打ち込んでるみーくん、かっこいい!
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