11月 教科書忘れた

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部活へ行くみーくんを見送っていると、隣に座ったやつも目に入る。 今日1日何かしてた? ずっと座ったままじゃないか? 授業中も、本当にノートとか取らないし。 聞いてるのかも怪しいし。 でも寝てるわけじゃないし。 クラスに友達とかいないのかこいつは? ってか上条のことより明日のテスト! もうダメかもしれない。 「はあぁぁぁぁぁ……」 来年は、クラス落ちるんだろうなぁ、俺。 「おい、うるさいぞ」 「うぇ……ご、ごめん」 ちょっとため息ついただけなのに、上条厳しい…… ってか今日初めて声聞いたし。 こっちが真剣に悩んでるのに、偉そうに! 「か、上条は、明日の小テスト自信あんのかよ……」 「自信、かは分からないが満点は取れるだろうな」 「そっ、それが自信っていうんだろ!」 な、なんだこいつ!? サラッと満点って言った! 本当に人間?俺と同じ人間なの? 絶対違う生物だって! も~~いや! 「……一体何がわからないんだ」 「だ、だいたい全部わかんない……どこが助動詞でどこが助詞とか、どうやって判別するんだよ……」 「は……?」 なんか、すごく上条に呆れられた顔されてんだけど~~!? ふ、不愉快極まりない~!!!! もう帰ってやろうかと思っていたら、突然上条が古典の教科書とシャーペン出して少し近寄ってきた。 俺の机の上にその教科書を置いて、何をするのかと思えば 「いいか?品詞分解っていうのは」 なんと! 説明をしながら、教科書に直接書き込んで説明をしてくれたのだ。
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