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次の日。
古典の小テスト。
まあ結果はまあまあ……うん、割と出来たと思う。
多分次の授業で返ってくると思うし、どうかいい点取れてますように。
「みなと、良い顔してるね」
「みーくん!あのねあのね!すごく手応えあったの!」
「えらいね、みなと。昨日、たくさん勉強してたもんね」
「うん!」
「上条の教科書で」
みーくんの何気ない言葉が胸に突き刺さる。確かに事実なんだけど、それを言われるとなんだか素直に喜べなくなる。
上条のおかげって……あああ、そんなの認めたくない!
うぅ、あんなやつに世話になりたくないのに~!!
「……最近は毎日いたのに、今日は休みなんだね、上条」
「小テスト自信あるとか豪語してたのになぁ」
「どうしたんだろうね」
「ね~まあ、興味無いけど」
ってか……せっかくお昼、作ってきたのに…。
なんで今日来ないんだよ、上条のやつ。
最近は毎日来てたのに、今日に限って休むか?
俺が今日お昼作ってくるってわかってただろ?
……まさか、わかってて休んだとか、ないよな…
「……橋本くん、ちょっといいかな」
「…ぇっ」
上条のことを考えていたところ、突然話しかけてきたのは、今まで話したこともない……正直ちょっと自信はないけど、多分クラスメイト。
「これ、さっき先生が上条くんにも届けるようにって言ってたんだけど。渡して、貰えるかな?」
「…………ぇ、」
なんで俺なの?先生に言われたのは俺じゃないのに……じ、自分で渡せばいいじゃん…とか、言いたい、けど……
「橋本くん、上条くんと仲良いみたいだし、お願い…出来るかな?」
もうそのプリントを俺の机の上に置いて、一歩下がったクラスメイトは、もう俺に押し付ける気しかないらしい。
ここから強く断る勇気もないし、話したくもないし、諦めよ…。
俺が小さく頷いたら、クラスメイトは満足したみたいに頷いてどこかに行った。
「はぁ……」
「よかったの?みなと」
「……断る方が、難しかった」
ってか何?
上条もっと仲良い人クラスにいないわけ?
友達とかいないわけ?
なんで俺が……見知らぬクラスメイトと話さなきゃいけないんだよ…
全部、上条のせいだ。
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