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「みなと……よしよし」
みーくんが、俺の頭を優しく撫でてくれる。
ああ……やっぱり、みーくんだけだ…。
俺のこと、わかってくれるの。
「というかみーくん。上条ってどこに行ったら会えんのかな?」
「うーん。生徒会室?」
「え…………こ、断れば良かった………」
📃📃📃📃📃📃
昼休み、みーくんにせっかくだから今行けば?と言われ、泣く泣く生徒会室に行く羽目に。
みーくんは部活の人達と食べるから、気にしないで行ってきてって言われた。
うん、みーくんには今日も上条の昼作ったのバレてるから、昼休みに行った方が良いって言ってくれたんだと思う。
みーくんってば、察しが良くて優しくて素敵だなぁ……
……はぁ。
生徒会室、初めて来たんだけど。
な、何このでっかい扉……。高さが俺の身長の2倍くらいありそう。それに重そう……。
こんなところにいる上条を呼び出さなきゃいけないのか……
ゆ、勇気を出そう。
これを超えないとみーくんの元に帰れない……!
みーくん、俺……頑張るよ……!
意を決して、生徒会室の扉をノックをした。
コンコン、と2回。
頼む、どうか上条が出てきて……!
そしたらすぐプリント渡して終わるから……!
「…………はい、どちら様ですか」
ほんの少しだけドアが開けられて、中から覗くように誰かがこっちを見ている。
この声、聞いたことがあるような。無いような。
「…………ぁ、えと……か、上…条……は……」
こ、これで中に上条がいなかったら、俺どうしたらいいんだろうとぐるぐると考える。
ああ、なんかこわいな…。
「ああ、貴方、昨日会長と教室で話していた……会長に御用事なんですか」
急にドアが全部開けられて、中にいた人が誰なのかようやくわかった。
昨日、上条のことを教室まで呼びに来た人だ。
生徒会の人だったのか……。
まあ、そうか。だから上条に仕事しろって言ってたんだよな。
笑顔のこわい人だ。
今もこわく笑ってる。
「どんな御用事なんですか?」
にっこり笑ってるけど、なんか黒い。闇っぽい。
その笑顔がこわくて、目を逸らしちゃう。
そうしないと、今にも逃げ出しそう。自分が。
「えと……今日、……小テスト、休んだ……から……プリント……渡す……先生……が……」
う、上手く言えない……
緊張しちゃって、上手く言いたいこと言えない……足も手も震えてきたし……ああ、早く帰りたい!
「ああ、あの人今日、休みましたからね。おや……その手に持っているのは?」
上条のお礼にと作ってきたお弁当を見つけられ、指さされる。
本当のことを言うべきなのか、悩む。
上条に勉強を教わったなんて恥ずかしいし、それを隠したらただただ俺が上条にお弁当作ったってことになるし…
上条の親衛隊じゃないんだから、そんなの恥ずかしすぎるし!
好きみたいじゃん!絶対無理!
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