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上条に連れてこられたのは、なにかの物置にでも使われていそうな教室だった。
なんの教室だろう?
「ここどこ?」
「空き教室だ」
「え、そんなのあったんだ」
聞いたことない。
「公になると、ここを使ってサボる生徒が現れるだろう。だから一般生徒には秘密にされている」
ああ、そういうことか。
確かに、学年にも何人か素行の悪いの居るしな…。
そういう奴らのたまり場になったら大変そうだし。
「でも、俺に教えていいのか?」
俺も一般生徒なのに。
「お前は、ここを使って授業をサボる気があるのか?」
「…………無いな」
授業サボったりしたらすぐに着いていけなくなってテスト取れなくなっちゃうだろうし…。
それに授業をサボるなんて考えたこともなかったな……
それって、変なのかな?
上条よくサボってるし、よくっていうか、ほとんどだけど。
むしろ最近毎日来てたのがおかしいくらい。
俺は熱出てみーくんストップが出た時しか休んだことないなぁ
「で、なんでここ?」
「は?昼食を取らずに午後の授業に出たいのか?」
「あ、ああ、そういうこと」
上条って、なんでいちいちこんなに頭に来る言い方しか出来ないんだろうな?
不思議でしょうがない。
でもなんか今は、そんなにカッとならないな。
……なんでだろう?お腹空いてるから?
とりあえず、持ってきたお弁当を広げる。
上条の分の箸も渡して、食べ始める。
「…………いただきます」
上条が、すごく、すごーーーく小さい声でそう言ったのが聞こえた。
幻聴かと思った。
でも、本物だと思う。何となく。
少しだけ上条と話すようになってわかったのは、上条は確かに失礼なやつだし、すぐ人のこと馬鹿にするけど、流石は生徒会長と言うべきか、礼儀だけはしっかりしているらしい。
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