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大した会話は生まれない。
だって俺ら、親しくないし。
普段みーくん以外と話さないし、話したくもないから他の人と会話するの苦手……。
まず何を話したらいいのか、分からない。
でもずっと無言は気まずいし、上条から声かけてくれないかなぁ…なんて。
ちらりと上条の方を見たら目が合った。
「……やはり、美味いな」
「あ、あ……当たり前だし。みーくんが美味しいって言ってくれるんだから……」
……はぁ……ありがとうって伝えられたら良かったのに。
上条のこと、気に食わないって思ってるからか、なんか素直になれないなぁ…。
別に、上条と仲良くなりたいとかじゃないし、良い風に見られたいとかでもないんだけど、なんだろう……人として最低限?
こんな調子で、みーくんに呆れられたら嫌だし…。
「お前は……本当に相澤が好きだな」
「え、あ……うん。俺には……みーくんしか、いないから」
世界に、みーくんだけ居れば…俺は満足だから。
いつだって、みーくんだけが俺のこと、考えてくれてる。俺も……この世にみーくんだけしか、要らないし。
みーくんがそばに居てくてるから毎日が楽しい。
みーくんがいなかったら、きっと楽しくない。
みーくんだけがいてくれれば、いい。別に上条なんて居なくても……居ても……一緒なんだ。
「ああ、そういえば、もうすぐ期末試験だな」
「っ……!そ、そうだった……あと二週間……」
なんで急にそんなこと言い出すの、上条!嫌なこと思い出させないで!
いや……むしろ思い出させてくれてありがとうかも……勉強、しないと……
今回、数学すごく難しいし、古典が確か範囲すっごく広い。
もう今日から必死に勉強しないと間に合わないかも……。
みーくんはまだ部活があるし、教えてもらえないしな…。ど、どうしよう…俺、来年もみーくんと同じクラスが良いのに……このままだと成績足りなくてクラス落とされちゃう…!
「……また、見てやろうか。勉強」
「えっ……えっ!?か、上条……が?」
お、教えてくれるって言った?
あの、あの上条が?あんなに俺のこと馬鹿にしてた上条が?
ど、どういう風の吹き回し?
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