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「で、でも俺……上条に返せることないし……こうやって…ご飯作るしか……出来ない…」
「別に…………それでも良いから言ってんだろ」
「えっ、えっ…………そ、そうなの?」
上条……そんなに毎食用意するの面倒臭いのかな。
自炊するタイプでもないみたいだし、購買まで行くのも面倒臭がりそう……
偏見かなぁ
……あれ?
そういえば、上条に何かあげるの駄目じゃなかったっけ!?
「だっ、駄目じゃないの!?」
「は? 何がだ」
「上条に、なんかあげるの駄目だって……さっきの人が」
「さっき……?あぁ、紫鶴のことか」
えぇ……名前とか知らないけど…。
上条と会った時、他にいたの1人だけだし、多分そうだなと思って頷いた。
上条は、呆れたように頭に手を当てて溜め息を吐いた。
「あいつは…全く…………信じなくていい。それはあいつの嘘だ」
「え……う、嘘なの!?」
お、思いっきり騙されてしまった…恥ずかしい…
俺、遊ばれてたってこと?
うぅ……見た目通り、性格悪い人だ……
「しばらくは生徒会の仕事もある。放課後でいいか?」
「え……あ、うん。いいけど…」
生徒会の仕事、忙しいのに俺の勉強見てくれるんだ……?
そんなにご飯用意するの嫌なんだな、上条って。
「俺の部屋と、お前の部屋、どっちが良い?」
「……えっ、え!?」
か、上条の部屋とか……な、なに!?
生徒会役員って、一人部屋だっけ…確か。
い、いや!無理でしょ!
上条の部屋で2人とか、無理でしょ!
生徒会フロアに行くのだって無理だし…
「み、みーくんにお願いしてみるので……俺の部屋が良い、です」
みーくんには迷惑かけちゃうけど、でも俺の部屋来てくれた方が晩御飯も一緒に出来るから楽かも?
「わかった」
上条が頷いたところで予鈴が鳴った。
もう戻らないと五時間目に遅れちゃうから、生徒会室で仕事をするという上条とはそこで別れた。
な、なんだか上条と急に距離が縮んでしまった気がする。
「…………変な感じ」
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