11月 教科書忘れた

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📃📃📃📃📃📃 「それで、何からやるんだ」 「えっと………数II、微分……」 「わかった」 本当に、放課後に上条が部屋に来てしまった……。 みーくんはまだ部活で居ない。 そう、上条と二人っきり………え、何この状況…。 結局上条は昼休みの後も授業には出なかったが、7時間目が終わったあと、急に教室にやってきてそのまま一緒に寮まで歩いてきてしまった。 すごく注目浴びた……消えたかった…… 寮の部屋に着いて上条を部屋に上げて、みーくんとの共有スペースのローテーブルの脇のソファに上条を座らせ、とりあえずお茶だけ用意した。 上条の隣に座るべきか、向かいに座るべきか悩んでいると上条が、 「向かいはやりにくい、お前はここだ」 と言われてしまったので渋々隣に、なるべく距離を開けて座った。 いや、上条に密着とか無理だし!嫌だし!気持ち悪いやつだって思われそうだし! そして冒頭のセリフ。 鞄から数IIの教科書とノートとルーズリーフを取り出して上条の教えを乞う。 前に擬音だらけの解説をされたのも数IIだったから不安だったけど、前の半分も擬音は無くなってて、分かりやすくなってた。 上条……成長してる…!? 上条のくせに……… 「今の、理解出来たか?」 「う、うん…なんとか…」 「じゃあ練習問題、自力で解いてみろ」 「……わかった」 え、えーっと、3次関数の接線を求めるから…… まずは3次関数を微分して、接点の座標が分かってるからx座標を微分した式に代入して… 「こ、これが…接線の、傾き?」 「そうだ」 えっとそしたら切片だけが分からない式が出来たから… このxとyに接点の座標を代入して…… 「で、出来た…?」 「ああ」 やった……微分の問題とけた…!!
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