11月 教科書忘れた

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みんなご飯食べ終わって、そろそろ食器を片付けようかなと思ったときのこと。 「みなと、お風呂入ってきていいよ。お皿洗っとく。上条と」 「え、いいの?」 「うん、任せて」 行ってらっしゃいとみーくんに手を振られながらお風呂に入った。 みーくんと上条の2人でお皿洗い……上条、出来るのかな。 あいつ、みーくんに迷惑かけなきゃ良いけど… 料理でもまあまあ大変だったからなぁ上条。 でもしっかり者のみーくんが一緒にいれば安心かなぁ みーくんは頼りになるし。 お風呂に入ると、みーくんが出てから少し経つからか、ちょっと寒かった。 あー…でもシャワーのお湯暖かい…… 今日は色々あったもんなぁ…。 古典のテストもあったし、昼休みに生徒会のこわい人になんか絡まれたし、そのあと上条と空き教室で一緒にご飯食べて… 部屋に上条が来て勉強教えてもらって、一緒に料理作って…… なんか、今日一日の思い出、上条ばっか…… 教室には1回も来てないくせに…なんで俺上条とこんなにいるんだろ…。 シャワーを終えて、バスタブに張ったお湯に浸かる。 「はぁ〜……あったかい…ほかほかだ……」 なんか体がほぐれるなぁ…。 「ふぅ……なんか、思ってたのと違うのかなぁ…。上条って、思ったより……こわいやつじゃ…ない?」 こわい人に絡まれたとき、助けてくれたし。 上条のおかげで古典の小テストどうにかなったし。 わざわざ放課後に俺の部屋まで来て勉強教えてくれた。 上条のために作ってるのに料理手伝ってくれた。 勉強してるとき、褒めてくれた。 それに美味しいって……言ってくれた。 嬉しくない、嬉しくないし… 全然嬉しくない、全く嬉しくない…少しも嬉しくない…… 「でも………ちょっとだけ………嬉しい……」 気持ちがほわっと、した…。
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