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「上条お皿洗ったことある?」
「ない」
「じゃあ教えるから手伝って」
「ああ」
「……みなととも、並んで料理した?」
「あ?ああ…」
「みなとのこと、虐めてない?」
「虐め…?するわけないだろう…」
「仲良くしてね、みなとと。みなとは……良い子、だから」
「……」
「せっかく上条と仲良くなれそうだから、優しくしてね。
偉いときは偉いねってちゃんと言ってあげて。
みなとにはちゃんと言わないと伝わらないよ」
「あいつは……鈍感か?」
「とーっても」
「はぁ……困ったやつだな」
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「あっ」
お風呂から出て、着替えている途中に気づいた。
薄手のロンTの上に着る上着を持ってくるの忘れた。
はぁ…部屋まで行かないとないなぁ…
上着着ないと、ちょっと肌寒いんだよなぁ。
Vネックだから結構首元出てて冷えやすいし。
あーあ、早く部屋行こ。
そう思って洗面所のドアを開けた。
共有スペースでみーくんと上条がソファに向かい合わせで座ってお茶飲んでた。
別に仲良くお喋りしてる感じでは…なさそう。
「みなとおかえり。あれ上着は?」
「みーくんただいま。部屋に忘れちゃったみたい。取りに行ってくる!そしたらすぐ勉強する!」
「うん」
慌てて部屋に駆け込んで1番近くにあったパーカーを手に取って戻った。
あー…でもチョイスミスったな…
このパーカー、ちょっと袖が長いんだよなぁ…
親指の第一関節くらいまであって、勉強するのにちょっと邪魔かも…
でも今から戻るのも変だし、ちょっと捲ればいいか。
「ごめんおまたせ」
「平気」
「……」
上条の隣、ご飯の前まで座ってた場所に座ると、何故か上条がしかめっ面をしていた。
な、なに…?
「上条……なに?」
「……いや、何でもない。やるぞ」
「う、うん…?」
変なやつ。
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