11月 教科書忘れた

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──────────── 「上条お皿洗ったことある?」 「ない」 「じゃあ教えるから手伝って」 「ああ」 「……みなととも、並んで料理した?」 「あ?ああ…」 「みなとのこと、虐めてない?」 「虐め…?するわけないだろう…」 「仲良くしてね、みなとと。みなとは……良い子、だから」 「……」 「せっかく上条と仲良くなれそうだから、優しくしてね。 偉いときは偉いねってちゃんと言ってあげて。 みなとにはちゃんと言わないと伝わらないよ」 「あいつは……鈍感か?」 「とーっても」 「はぁ……困ったやつだな」 ──────────── 「あっ」 お風呂から出て、着替えている途中に気づいた。 薄手のロンTの上に着る上着を持ってくるの忘れた。 はぁ…部屋まで行かないとないなぁ… 上着着ないと、ちょっと肌寒いんだよなぁ。 Vネックだから結構首元出てて冷えやすいし。 あーあ、早く部屋行こ。 そう思って洗面所のドアを開けた。 共有スペースでみーくんと上条がソファに向かい合わせで座ってお茶飲んでた。 別に仲良くお喋りしてる感じでは…なさそう。 「みなとおかえり。あれ上着は?」 「みーくんただいま。部屋に忘れちゃったみたい。取りに行ってくる!そしたらすぐ勉強する!」 「うん」 慌てて部屋に駆け込んで1番近くにあったパーカーを手に取って戻った。 あー…でもチョイスミスったな… このパーカー、ちょっと袖が長いんだよなぁ… 親指の第一関節くらいまであって、勉強するのにちょっと邪魔かも… でも今から戻るのも変だし、ちょっと捲ればいいか。 「ごめんおまたせ」 「平気」 「……」 上条の隣、ご飯の前まで座ってた場所に座ると、何故か上条がしかめっ面をしていた。 な、なに…? 「上条……なに?」 「……いや、何でもない。やるぞ」 「う、うん…?」 変なやつ。
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