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温めたお粥と水と薬を持って部屋に入ると、上条はまだ寝ていた。
相当具合悪いんだろうな…
あ、上条…汗かいてる。
とりあえずベッドの脇にお粥は置いて、部屋の中にあったタオルを手に取り、上条の汗を拭いた。
体冷やしたらいけないし…本当は着替えもしてほしいけどなぁ…
上条まだ制服着てるし。
「……、な…と」
「か、上条…ごめん、起こした?」
「…いや、いい」
汗を拭ってるときに上条を起こしてしまったらしい。
目を覚ました上条は、起き上がらないままぼーっと天井を見ている。
これは…だいぶ体調悪そう…
「え、と……ご飯、食べれる?」
「……」
「お粥……作ったんだけ、ど」
「……食べる」
そっと一口分だけ掬って、まだ湯気が立っているそれを冷ますためにふーっと2回ほど息をかける。
「はい」
「…………」
「……おーい?」
上条の口元まで持っていっても、上条はそれを凝視するだけで全然口を開こうとしない。
さすがに病人の口に無理矢理ご飯突っ込むなんてしたくないけど……食べるってさっき言ってたよな?
なんだろう、やっぱり食欲無いとかか?
「上条……やっぱやめとくか?」
「あー…………いや、そうじゃなくて……」
なんだか困った顔をしている上条。
どうかしたのか?
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