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「……自分で、食える」
「………へっ?」
上条が急に言ったことが理解できなくて、少し首を傾げる。
そしてふと、自分の行動を思い出す。
いくら熱出てるからって……
俺、上条にあーんしようとしてた!?
「あわわわわ!!! ち、ちが……!! みーくんが熱出した時はいつもこうしてたからで……ち、違うからな!!」
慌てて上条に対して弁解をしながら、ほぼ押し付けるように上条にお盆ごと押し付けた。
上条に勘違いされたくなくて、ずっと違う違うって思わず主張したけど、違うって何がだ……?
冷静に考えると、わからない。上条のことが好きじゃないってことか?
慌てたままの俺を放っておいて、上条は受け取ったお粥をさっさと食べ始める。
あれ……意外と食欲あるのか?
パクパク食べてるな。
みーくんも熱出してもいっぱい食べるけど……熱出した時に食欲なくなるのは俺だけなのか?
上条が食べてるのを見てても暇だし、その間に何かしようと思ってクローゼットを開ける。
みーくんがお風呂出たら俺もお風呂入るし、その分の着替え用意しておかないと。
「…………ご馳走様」
「あ、もう食べ終わった?」
ボソッとした上条の声が聞こえたから上条の方を振り返ると、すっかりお粥は空になってた。
一緒に置いておいた薬も無くなってるから、ちゃんと飲んだこともわかった。
「じゃあはい、はい」
「…………は?」
上条に渡していたお盆ごと受け取り、代わりに部屋着を一式渡すと、怪訝な顔で見られる。
熱出てるとはいえ、やっぱりこいつ顔こわいなぁ……悪魔の生まれ変わりなのか?
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